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ケッペンの気候区分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ケッペンの気候区分(ケッペンのきこうくぶん)とは、ドイツの気候学者ケッペン (Wladimir Peter Köppen) が、植生分布に注目して1923年に考案した気候区分である。気温と降水量の2変数から単純な計算で気候区分を決定できることに特徴がある。
- 分類基準が明確で簡便。
- 植生、風土の特徴を反映している。
- 立地条件など気候の成因と相関している。
など、扱い易い上に有用な分類法であり、現在でも気候・産業・文化・農業を論ずる上で欠かすことができない。一方で
- 植生にのみ注目しているため、人間生活などの感覚になじまない部分がある。
- アジアやアフリカの気候に関しては的確に分類されているとはいえない。
といった批判もある。
歴史 [編集]
1884年発表した論文では、季節ごとの温度分布を測定点ごとに示した単純なものだった。1900年に気候区分を拡張、1918年に今日知られている区分とほぼ同じ区分を公表した。この時点ではAからEまでの気候区分が定められていた。1936年に最後の論文を公表した。現在は、トレワーサーなどによりH(高山気候)を追加するなどの補正が加わっている。
ケッペン以外の気候区分も考案されている。1879年に公表されたズーパンの気候区分は、年平均気温のみで気候を区分していた。1950年以降は、ケッペンのような結果としての気候ではなく、気候の成因(原因)から分類する試みが続いている。1950年にはフローンが風系(季節風)を加味した区分を、同年アリソフは気団や前線帯の位置を生かした区分を、1960年には、ヘンデルが大気の大循環を考慮に入れた気候区分を発表した。
気候型の判定法 [編集]
気候型を区分するには各月毎の平均気温と降水量のデータがあればよい。気温を折れ線、降水量を棒グラフで示した雨温図や、縦軸に気温、横軸に降水量をとった座標上に各月のデータをプロットしたハイサーグラフから読み取るのが便利である。
判定には、まず一般的な樹木が生育するのに必要な最低限の降水量があるかどうかを見る必要がある。この基準を乾燥限界といい、以下の計算式から求められる。計算式の違いは季節ごとの水分の蒸発量を考慮したもので、夏季は水分がすぐ蒸発するため、乾燥限界を大きくして調整をはかっている。
降水パターンの区別 [編集]
- w(冬季乾燥/夏雨) : 最多雨月が夏にあり、10×最少雨月降水量<最多月雨降水量
- s(夏季乾燥/冬雨) : 最多雨月が冬にあり、3×最少雨月降水量<最多月雨降水量 かつ 最少雨月降水量が30mm未満
- f(年中湿潤/年平均降雨) : 上記のwとsのどちらでもない
乾燥限界 r (mm/樹木生育に必要な最低降水量)の計算 [編集]
年間平均気温を t (℃)とする。気温は摂氏、乾燥限界(降水量)はmmを用いる。cmで求める場合はこの式を10で割ればよい。
- r=20(t+x)
上記の降水パターンの区別でfの場合はx=7、wの場合はx=14、sの場合はx=0となる。
年平均降水量 (mm) が r 以上の場合は湿潤気候 (A,C,D) に分類、r 未満の場合は乾燥気候 (B) に分類される。また、乾燥気候 (B) と寒帯気候 (E) は、それぞれ乾燥限界と最暖月平均気温から簡単に判定できる。
乾燥気候 (B) の区別 [編集]
乾燥限界rは上記の計算式で求められる。WはWüste(砂漠)、SはSteppe(ステップ)。
乾燥帯 (B) の細分化 [編集]
B(乾燥帯)に関しては年平均気温によってさらに細分化される。
- h : 年平均気温が18℃以上。
- k : 年平均気温が18℃未満。
hはheiß(暑い)、kはkalt(寒い)。
寒帯気候 (E) の区別 [編集]
- E(寒帯) : 最暖月平均気温が10℃未満(樹木が育たない)。
TはTundre(ツンドラ)、FはFroste(氷点下)。
湿潤気候 (A,C,D) の区別 [編集]
年平均降水量が乾燥限界を上回る場所は湿潤気候となる(樹木が育つ)。
最寒月・最暖月平均気温を基準にして以下のように区分する。
- A(熱帯) : 最寒月が18℃以上(ヤシが生育できる)。
- C(温帯) : 最寒月が-3℃以上18℃未満 かつ 最暖月が10℃以上(冬季の積雪は根雪にならないが、ヤシが生育するほどでもない)。
- D(冷帯) : 最寒月が-3℃未満 かつ 最暖月が10℃以上(冬季の積雪は根雪になるが、樹木は生育できる)。
A、C、Dの分類記号は以下のようになるが、A(熱帯)を分類する場合と、C(温帯)、D(冷帯)を分類する場合では分類方法が異なる。
- f : feucht(湿潤)
- m : Mittelform(中間)
- w : wintertrocken(冬に乾燥)
- s : sommertrocken(夏に乾燥)
熱帯 (A) の区別 [編集]
最寒月平均気温が18℃以上ある(ヤシが生育できる)熱帯は、降水パターンによって次の3つに区分される。
- Af(熱帯雨林気候) : 最少雨月降水量が60mm以上。
- Am(熱帯モンスーン気候) : 最少雨月降水量が60mm未満 かつ (100-0.04×年平均降水量)mm以上。近年の高校地理教科書では熱帯雨林気候と区別しない、もしくは「やや乾季がある熱帯雨林気候」として掲載する場合がある。
- Aw(サバナ気候) : 最少雨月降水量が60mm未満 かつ (100-0.04×年平均降水量)mm未満。
※Awの条件を満たし上記の降水パターンの区別でsの場合はAsとなるが、ハワイ州の一部等ごく限られた地域にしか存在しない。Asは元来熱帯夏季少雨気候とでも呼ぶべき気候であるが、サバナ気候に含めるのが普通である。
温帯 (C) と冷帯 (D) の区別 [編集]
上記の降水パターンの区別によって、f、w、sのいずれかに区別される。
温帯 (C) の細分化 [編集]
C(温帯)に関しては最暖月平均気温によってさらに細分化される。
- a : 最暖月が22℃以上。
- b : 最暖月が10℃以上22℃未満 かつ 月平均気温10℃以上の月が4ヶ月以上。
- c : 最暖月が10℃以上22℃未満 かつ 月平均気温10℃以上の月が3ヶ月以下。
※Cwc,Cscはごく限られた地域のみに点在する。
冷帯 (D) の細分化 [編集]
D(冷帯)に関しても最寒月・最暖月平均気温によってさらに細分化される。
- a : 最暖月が22℃以上。
- b : 最暖月が10℃以上22℃未満 かつ 月平均気温10℃以上の月が4ヶ月以上。
- c : 最暖月が10℃以上22℃未満 かつ 月平均気温10℃以上の月が3ヶ月以下 かつ 最寒月が-38℃以上-3℃未満。
- d : 最暖月が10℃以上22℃未満 かつ 月平均気温10℃以上の月が3ヶ月以下 かつ 最寒月が-38℃未満。
気候型と植生 [編集]
上の記号の組み合わせにより、次のような区分ができる。
- ※Dsdは定義上は存在するが地表上に該当箇所が無い。
- トレワーサによるD気候分類
- Da,Db(湿潤大陸性気候|大陸性混合林気候=Dfa,Dfb,Dwa,Dwb,Dsa,Dsb)
- Dc,Dd(亜寒帯気候|針葉樹林気候=Dfc,Dfd,Dwc,Dwd,Dsc,Dsd)
気候図 [編集]
- Köppen-Geiger climate classification (1951-2000)
東アングリア大学の気候調査部門 (CRU) とドイツ気象局の世界降水気候センター (GPCC) がまとめた1951年から2000年の気象データを基に、ケッペンおよびガイガーの気候区分にしたがって作られた気候図[1]。
- Köppen classification
ケッペンの気候区分(31区分)
出典 [編集]
- ^ Kottek, M., J. Grieser, C. Beck, B. Rudolf, and F. Rubel (2006). World Map of the Köppen-Geiger climate classification updated. Meteorol. Z., 15, 259-263.. DOI:10.1127/0941-2948/2006/0130.
関連項目 [編集]
外部リンク [編集]
- 気候区分図
- World climate map、Dan Scollon氏のウェブページ上のケッペン・ガイガー気候区分図(12区分)。
- World Map of the Koppen-Geiger Climate Classification、ウィーン獣医学大学自然科学学科による0.5度四方メッシュの気候区分図(31区分、1951年 - 2000年のデータを基準とする)。
- Climate Maps - Koeppen Clim. Classification 、FAOとAGROMETの資料を基に作られた区分図(14区分)。拡大・縮小が自由自在。
- Klimadiagramme weltweit、世界各都市の雨温図と気候区分(独語)。
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