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このブログは,大学・高校受験,資格試験の受験,勉強法,使用参考書,予備校,塾での指導などについて綴ったものである。また,さまざまな箇所からの役に立つと思われる情報もあつめている。

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2024/05/05(Sun)22:35:33
小説問題への対策が必要な人(特に国公立文系志望者)】
『大学受験のための小説講義』(石原千秋・ちくま新書)
…小説問題は現在、主にセンター試験・国公立文系二次試験(あと、女子大など)で出題されています。
入試の小説問題では普段われわれが趣味で小説を読むのとは少し違った読み方を要求されます
入試での小説問題では、与えられた小説テクストを、研究対象として、
研究者(=出題者)の目で「分析」することが必要になるのです。
小説の典型的問題である「与えられている具体的描写から登場人物の心情を読み取る」
というような例に見られるように、小説問題は、
与えられたテクストを手がかりに文章に直接記述されてはいないことを言語化するという過程が必要になります。
その意味で、小説問題は評論問題以上の難しさを持っているのです。
それで、小説に有効な参考書としては何があるのかと言うと、実はほとんどないのが現状です。
今出ているほとんどの現代文の参考書は内容の大半を評論問題に使ってしまっていて、
小説問題はおまけ的な扱いにしかなっていません
しかもその小説の解き方というのも、イマイチ歯切れが悪いものが多いのです。
そんな参考書の中で、大学入試小説を集中的に扱っており、内容的にも信頼できるものとしては、
この上で挙げた参考書くらいしかありません。
この参考書はテクスト分析が専門の研究者(=大学の先生=出題側)によって書かれており、
出題者がどういう目線から小説を見ているのかを知ることができ、ためになります。
内容的には高度で少し難しいかもしれませんが、この辺のことを読んで知っておくだけでもだいぶ参考になるはずです。
二次試験で小説問題が必要な人は、ぜひ目を通しておくことをお勧めします。
 
【問題文の背景を理解するための教養本】
『教養としての大学受験国語』(石原千秋・ちくま新書)
評論文は、ある程度の「常識」を前提に議論を進めています。
日本人論、言語論、芸術論、科学論、東洋と西洋など、
まず一般的にどういうテーマで議論がなされているかを知らなければ現代文は読解できません。
大学受験の評論文がどのような議論の上に出題されているのかを明らかにするために書かれた本がこの本です。
大学入試現代文を「教養」ととらえ、
受験生にはこれだけの教養を持ったうえで大学に入ってきてもらいたい
という大学の先生の視点から書かれています。
大学入試過去問を頻出トピック別にまとめ、それに対し著者の解説が入っていくという形で構成されています。 
内容は結構読みごたえがありますが、読み通せば現代文のみならず現代社会を見る目も変わってくるはずです。
ぜひ多くの受験生に読んでもらいたい本です。
※ただこの本の設問の解き方自体は、予備校講師の書いた参考書に比べると説明が少ないので、
あくまで背景常識を得るための読み物として使うのがいいでしょう。
 
倫理や現代社会の教科書、資料集、用語集
…近年の現代文は、思想・哲学系の文章や近代批判の文章などが頻出となっています。
こうした文章の背景や独特の用語を事前に理解しておくのはかなり有効です。
その際意外と役に立つのは、高校の現代社会や倫理の教科書です。
教科書を持っている人はもう一度読み直してみましょう。
 
 
【その他、話題にあがった参考書】
・『現代文読解力の開発講座』(駿台文庫)
…『現代文と格闘する』と同様、10問の過去問を段落分け・要約をしながら読み解いていく。講義調。
A⇔B、具体⇔抽象といった文章間の対比関係の理解に重きをおいているのが特色。
難関大を目指す偏差値50~60台の受験生が、過去問を解く前の基礎力を養成するのに向いていると思われる。
全体的に国語の弱い駿台の参考書の中では、数少ない良書。
 
現代文SOS!!(中経出版)
…対象は偏差値40後半~50前後の受験生あたりか。
大学入試を経験したばかりの大学生の目から設問の解き方を中心に分析しているので、
受験生にもとっつきやすいかもしれない。
(一説によると、代ゼミ講師S氏に教わった人が書いているとの噂)
ただ、やや設問テクニックの説明に重心が偏りすぎていて、これだけでは文章の内容理解の面で不十分では…との意見もある。
 
高橋廣敏の現代文客観問題が面白いほどとける本(中経出版)
・『高橋廣敏の現代文記述問題が面白いほどとける本(中経出版)
…2003年の新刊。アニメ絵な表紙が目印(w  対話調の解説。
主に入門~基礎レベルの人が対象。それ以外の人はあえてやる必要はないかも。
 
・『出口の現代文革命』(東進ブックス)
・『出口の現代文入門講義の実況中継』(語学春秋社)
・『出口のシステム現代文(バイブル編)』(水王舎)
…賛否あり。
「現代文とはどんな教科か説明された最初の部分だけ立ち読みしときゃそれで十分」との声あり。
 
・『田村の総合現代文』(ライオン社)
…今となっては問題に若干古さを感じなくもないが、田村氏の参考書にしては解説が簡潔なので、
「『現代文講義』の解説は長くて肌に合わない」と感じる人にはこちらがいいかもしれない。
問題のレベルとしては日東駒専~MARCHレベルあたり。
※解説部分の最初に書いてある入試現代文についての概論はとてもよくまとまっており、今読んでもためになる。
 
・『田村の融合問題詳解』(ライオン社)
…主に早稲田で出題される現古融合問題の対策用の、数少ない参考書。
 
・『酒井の現代文ミラクルアイランド』(情況出版)
…早稲田に焦点を絞って書かれているらしいが、賛否あり。
 
・『超基礎現代文 加藤にまかせろ!』(学研)
 
【センター試験現代文対策】
※センター試験現代文の特徴と勉強法について、まずここの注意事項をお読みください。
 
・『田村のセンター試験現代文』(代々木ライブラリー)
・『田村のセンター国語ポイント講義』(栄光)
・『きめる!センター国語 III 現代文』(学研)
…センター試験現代文の傾向と対策をまとめた参考書として定評がある。
これで傾向と対策を学んだら、その後は過去問演習を繰り返すことを忘れずに。
 
【私大対策用問題集】
・『入試精選問題集 現代文』(河合出版)
…昔から定評のある問題集。構成は、例題4問+演習問題30問。
国公立を意識した記述問題が主の問題と、私大を意識した客観問題が主の問題とが、ほぼ半々の割合で入っている。
全部やるとおそらく時間がかかりすぎるので、自分に必要な部分を適宜選んでやるのが正解か。
問題文の出典は今から見るとやや古めの気もするが、まあ王道。
河合塾の参考書の伝統に漏れず、解説が非常に充実しているのはすばらしい。
方法論習得系の参考書を一通り終えた人向けの、演習用問題集。
対象は旧帝大・国公立・難関私大志望者向け。
 
・『私大編・現代文のトレーニング』(増進会出版社)
…Z会の過去の問題から良問を抜粋して作られた問題集。難関私大志望者対象。
私大の入試問題には悪問や答えを絞りきれないきわどい問題が出ることも多いが、
これは堀木先生自作の問題なので、問題・解説とも安心して使用できる。
 
・『田村の難関私大現代文』(代々木ライブラリー)
…早稲田、関関同立、MARCHあたりの難関私大の現代文の傾向と対策を、過去問を使いつつ大学別に解説。
早稲田、立教あたりの分析と解法は優れている。が、さすがに発売後10年が経過していることもあって
だいぶ出題傾向が変わっている大学も少なくない(関西学院、立命館など)ので、赤本を見て確認することを忘れずに。
方法論習得系の参考書を一通り終えた人が過去問演習に入る前の繋ぎとして、必要な部分を選んでやると良いかもしれない。
 
・『田村の現代文年間カリキュラム1~3』(栄光)
…中堅レベルの大学の近年の問題を中心に解説。良問が多く取り上げられているのがよい。
 
【記述演習問題集】
※記述問題の基礎を学びたい人は『新・田村の現代文講義 第3巻』を。解答作成の初歩からまとめられています。
 
・『ファンダメンタル記述・論述現代文』(學燈社)
…近年の入試現代文で頻出のテーマ・筆者の文章を抜粋したアップトゥデートな問題集。
演習用としてばかりではなく、過去問に取りかかる前の実力養成用としても活用可。
 
・『入試精選問題集 現代文』(河合出版)
(内容説明は上記参照)
 
・『田村の現代文記述問題解説』(栄光)
…国公立系記述問題の解答作成の方法に焦点を絞った参考書。
記述解答というものをどう作成すればいいのかについて、その組み立てのプロセスを鋭く追究している。(その分、問題文の解説は少なめ)
東大・京大の問題が多く集められているのが便利。
これらの大学の過去問に取りかかる前に必要な部分をやっておくといいかもしれない。
 
・『得点奪取現代文―記述・論述対策』(河合出版)
  …これも国公立系記述問題に的を絞った参考書で、東大・京大の過去問を中心に構成。
  河合塾の参考書の例に漏れず、内容解説が充実している。演習用として使用するほかに、
  上記の『田村の現代文記述問題解説』のように、過去問にとりかかる前に必要な部分をやっておくのもよいかもしれない。
 
・『現代文のトレーニング・記述編』(増進会出版社)
… 国公立二次系記述問題の演習用参考書。
自分の志望大学の過去問を一通りやり終えてしまって「これだけでは足りない」という人がダメ押しに使うのがいいかも。
 
 
【おもな現代文用語集についての短評】
 
『ことばはちからダ!』(河合出版)
現代文用語集というよりは、現在出題されている問題文の背景となっている
思想的背景や概念装置について詳細に解説している本。
(例えば、「弁証法」とか「近代批判」、「西欧合理主義」)
読み物として読めるので、
現代文の問題文を読んでも「内容が抽象的過ぎて何言ってるかさっぱり分からない…」
というような人に特にお勧め
収録語彙数自体はあまり多くないのが玉にキズか。
※同じ河合出版から出ている参考書『入試現代文へのアクセス』でも
現代文の基本用語が多く説明されている。
 
『頻出現代文重要語700』(桐原書店)
各社から現代文用語集が出るきっかけを作った、今の現代文用語集の先駆けともいえる本。
解説は簡潔だが、収録語数が多いのが利点。
『ことばはちからダ!』に出ている内容をだいたい押さえているような人にはこちらがお勧め。
対義語や四字熟語などが充実しているので、漢字問題や穴埋め問題にも有効
※類書に『大学入試読解と小論文現代文キーワード500』(桐原書店)がある。
 
『入試評論文読解のキーワード300』(明治書院)
『現代文試験に出る読解ワード300』(KKロングセラーズ)
『入試の現代語 600』(文英堂)
これら3つはいずれも、
『ことばはちからダ!』よりは多めの語句を、『重要語700』よりは詳しめに解説してある。
 
『ハイパー現代文語句ナビ690』(星雲社)
特に重要な40語を見開き4コママンガつきで解説しているのが特色。
ただ、それ以外の通常語句の解説は短め。

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Soseki/2996/gendaibun/
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2009/04/25(Sat)12:33:38
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